アミタHD、インドネシア大手セメント会社PT Indocement Tunggal Prakarsa Tbk.社とMOUを締結~同国における脱炭素・循環型事業の進出を目指す~
アミタホールディングス株式会社(本社:京都府京都市 代表取締役社長 兼 CIOO:末次 貴英)とPT Indocement Tunggal Prakarsa Tbk. (本社: インドネシア、ジャカルタ 代表取締役社長Christian Kartawijaya 以下、インドセメント)は、2023年5月19日に「共同事業調査のための覚書」(以下、本合意)を締結しました。両社は本合意に基づき、インドネシアにおける事業連携を視野に、カーボンニュートラルおよびサーキュラーエコノミー等を推進するための包括的な事業可能性調査を共同で実施します。
(締結セレモニーの様子)
1. 本合意の概要と狙い
概要
- 期間:2023年5月19日~2025年5月31日
- 内容:インドネシアにおけるカーボンニュートラルおよびサーキュラーエコノミーを促進するための包括的な事業可能性調査。初期検討事業として、2023年末を目途に産業廃棄物・一般廃棄物由来の代替燃料・原料を調達・製造・供給する事業の実現性を分析し、事業構造を検討する。
狙い
インドネシアでは廃棄物の多くが埋立処分されていると言われており、自然や生物に対する環境汚染が懸念されています。また、カーボンニュートラルを達成するためには、資源の有効利用が不可欠です。アミタグループはこの課題を解決すべく、インドネシア大手のセメント製造会社の一つであるインドセメントと共同で事業の立ち上げを検討し、現地での調査を行います。
さらに、アミタグループが日本で展開する「資源の分別回収」「コミュニティの形成」機能を併せ持つ、互助共助コミュニティ型資源回収ステーション「MEGURU STATION®」や、カーボンニュートラルおよびサーキュラーエコノミーに向けた循環型ビジネスの創出を支援するCyano Projectなど、循環型社会の実現に向けた事業を同国においても今後展開し、企業や自治体の持続性を高めていくことを構想しています。
※MEGURU STATION®に関する詳しい内容はこちら
※Cyano Projectに関する詳しい内容はこちら
2. 背景
インドネシアの人口は2021年時点で約2.7億人にのぼり、世界第4位の規模となっています。さらに2010年頃からは、都市部の人口比率が農村部の比率を超え、首都ジャカルタを中心に大都市への人々の移動が進行しています。今後も人口増加や都市化は継続すると予測され、住宅や商業施設の建設需要の高まりなどに伴い、セメント需要も拡大する見込みです(2020年のセメント消費量:世界第5位、2021年の生産量:世界第6位)。しかし、セメント生産は産業別にみてCO2排出量が2番目に多く(図参照)、インドネシアは世界第8位のCO2排出国となっています。
今回、本合意を締結するインドセメントは、CO2排出量ゼロを目標に、セメント・骨材・生コンクリートの市場で主要な市場シェアを持つ、世界最大規模の建材・ソリューションメーカーであるドイツのハイデルベルグマテリアルズの一員です。同社は、脱炭素化・サステナビリティに力を入れるなど、環境に配慮した事業展開を目指しており、専門性を有した事業パートナーを求めていました。
一方、アミタグループは、45年以上にわたり日本の環境ビジネスを牽引してきました。1992年以降は、産業廃棄物をセメントの代替原料・燃料等に100%リサイクルし、焼却・埋立量の削減、自然資源の保全とともに、セメント業界のCO2削減に寄与する事業を展開しています。また、ESG市場をいち早く開拓し、循環型ビジネスモデルへの移行戦略支援サービスや、国際基準の脱炭素経営コンサルティングを提供するなど、サステナビリティ経営に関する高度な専門性を有しています。近年は、マレーシアに続く新たな海外市場として、インドネシアにおける事業可能性を検討していました。
このたび、両社はインドネシアにおけるカーボンニュートラルおよびサーキュラーエコノミーを促進するため、アミタグループの技術・ノウハウを活かした包括的な事業可能性調査を共同で実施することに合意しました。初期段階として、2023年末を目途に、産業廃棄物・一般廃棄物由来の代替燃料・原料を調達・製造・供給する事業の実現性を検討します。
※参考:IEA ネットゼロシナリオにおける産業からの直接的なCO2排出量、2000 年から 2030 年
3. 各社のコメント
アミタホールディングス株式会社
代表取締役社長 兼 CIOO 末次 貴英
当社は、持続可能な社会の実現を目指し、海外事業として2017年からマレーシアでの産業廃棄物のリサイクル事業を展開してきました。今回の連携により、インドネシアでも同様の事業を展開することで、カーボンニュートラルを促進し、持続可能な社会づくりに貢献できることを嬉しく思います。また、当社はインドネシアでの活動を通じて、循環型社会の実現に向けた取り組みを日本国外へも積極的に展開し、ひと・自然・もの・情報が循環するエコシステム社会を拡張していきます。
≪アミタホールディングス株式会社の概要≫
会社名 | アミタホールディングス株式会社 |
所在地 | 京都府京都市中京区烏丸通押⼩路上ル秋野々町535番地 ⽇⼟地京都ビル2階 |
事業内容 | 【社会デザイン事業】 サステナビリティ向上を⽬指す全国の企業・⾃治体等を、ビジョン策定から実⾏実践まで統合的に支援するDoタンクを標榜。2022年度の支援実績約1,540社(自治体含む)。「豊かな関係性」が最大の価値となる持続可能な社会の実現に取り組む。 |
代表者 |
代表取締役会長 兼 CVO 熊野 英介 代表取締役社長 兼 CIOO 末次 貴英 |
設立 |
2010年(グループ創業1977年) |
URL | https://www.amita-hd.co.jp/ |
インドセメント
代表取締役社長 Christian Kartawijaya
インドセメントは、環境・社会・ガバナンス(ESG)の原則と価値観を一貫して実践している企業であり、CO2排出削減に向けた大きな目標を掲げています。したがって、今回の連携により、カーボンニュートラルの目標を達成し、さらにその先の目標も達成できると確信しています。同時に、地下資源に対する依存を減らし、廃棄物の活用技術により、インドネシアの他の産業を持続可能な方法で支援し、インドネシアでの循環型経済を促進していきます。
≪インドセメントの概要≫
会社名 | PT Indocement Tunggal Prakarsa Tbk. |
所在地 | Wisma Indocement 8 Floor, Jl. Jenderal Sudirman Kav. 70-71, Jakarta 12910, Indonesia |
事業内容 | セメントブランド「Semen Tiga Roda」と「Semen Rajawali」を生産する、インドネシア大手セメント製造会社の一つ。現在、インドセメントとその子会社は、セメント製造・販売(主力事業)や生コンクリート、骨材・トラス採掘など、複数の事業分野に従事し、従業員数は約3,400人。13の工場を有し、年間総生産量は2,550万トン。工場は西ジャワ州ボゴールのシテウレアップ工場に10カ所、西ジャワ州チルボン工場に2カ所、南カリマンタン州コタバルのタルジュン工場に1カ所。2022年、インドセメントはPT Semen Bosowa MarosおよびPT Bosowa Corporindoと資産リース契約を締結。ハイデルベルグマテリアルズは2001年以来、インドセメントの大株主となっている。 |
代表者 |
代表取締役社長 Christian Kartawijaya |
設立 |
1975年 |
URL | https://www.indocement.co.id/ |
<広報・取材に関するお問い合わせ先>
アミタホールディングス株式会社
広報 担当:駒井、古城
TEL:075-277-0795 / メール:press@amita-net.co.jp
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