アミタ(株)が環境省の「脱炭素社会実現のための都市間連携事業委託業務(2次公募)」を受託 ~インドネシア・マレーシアに続き、パラオでも官民連携による脱炭素を推進~

アミタ株式会社(以下、アミタ)は北九州市環境局、株式会社ATGREEN、株式会社EVモーターズ・ジャパン、株式会社クアンドと共同で、環境省の「令和5年度脱炭素社会実現のための都市間連携事業委託業務(2次公募)」を受託しました。本事業では、ゼロ・カーボンシティの実現を目指すパラオ共和国コロール州(以下、同州)において、バイオマスエネルギーの活用や再生可能エネルギーの導入、省エネルギー設備の導入検討調査などに取り組みます。

アミタは、同州とともに構築を目指す包括的な資源循環システムの一部として、地域の未活用資源である剪定枝を用いた木質バイオマスの活用による脱炭素モデルの構築を検討します。また同州と同様に、化石燃料の輸入依存等の課題を抱える、その他島嶼地域への水平展開を視野に調査を進める予定です。

1.受託事業について

本事業は、日本の自治体が脱炭素社会形成に関する技術、経験、ノウハウ等を活用して、新興国の自治体の脱炭素化を後押しするものです。アミタは2020年度から2022年度にかけて、同州における都市間連携事業を受託し、化石燃料の使用量を抑制した輸送モデルの実現可能性調査に取り組んできました(詳細はこちら)。そして、今回採択された期間をフェーズ2と位置づけ、フェーズ1(2020~2022年度)のフォローアップの他、現地ニーズや状況を踏まえ、新たに同州のゼロ・カーボンシティ宣言に向けた現状調査・ロードマップの検討、および木質バイオマスの利活用や再生可能エネルギー設備導入に係る実現可能性調査を行う計画です。

アミタとして本事業は、2023年5月に北九州市などと共同で採択された、インドネシアとマレーシアにおける都市間連携事業に続いて3件目となります(インドネシアとマレーシアにおけるプロジェクトの詳細はこちら)。

事業名

パラオ共和国コロール州の脱炭素都市形成とコ・ベネフィット実現に向けた都市間連携事業

対象地域

パラオ共和国コロール州

事業内容

本事業は同州とのこれまでの都市間連携を基に、州のゼロ・カーボンシティ実現へ向けた具体的な施策として以下を実施する。①~③はフェーズ2から新たに開始するもの。

① コロール州のゼロ・カーボンシティ宣言に向けた現状把握及び計画検討

② 木質バイオマスを活用した脱炭素化とコ・ベネフィット創出に向けたバイオマスボイラー導入可能性調査

③ 州官公庁舎における再生可能エネルギー、省エネルギー設備導入検討調査

④ EVバス・EVパッカー車(廃棄物収集運搬車両)導入・資金獲得に向けたフォローアップの実施

期間

《継続応募》 フェーズ2202311月~20243月(3ヵ年事業の1年目)

2.アミタの役割
「②木質バイオマスを活用した脱炭素化とコ・ベネフィット創出に向けた導入可能性調査」

231020_palau.png【分散型・集約型バイオマスボイラーの導入モデル】

アミタは本事業を通じて、州内のリゾートホテルで発生する剪定枝等を燃料とした木質バイオマスボイラー※の導入可能性調査に取り組みます。具体的には、①大手リゾートホテルでの「分散型」のバイオマスボイラーの導入モデルと、②複数のホテルからバイオマス資源を収集し「集約型」のボイラー設備を州の管理施設に導入するモデルの双方を調査・検討します。

同国は島嶼国という地理的要因からエネルギーの輸入依存度が極めて高く、国内自給が可能なエネルギー源の確保・活用が求められています。さらに、豊かな観光資源を有する同国では観光産業がGDPの5割以上を占め、温室効果ガス排出の多くがホテルなどの業務部門、運輸部門、民生部門に集中しています。

したがって、ホテルで発生する域内資源(剪定枝)を活用したバイオマスエネルギーの自給と脱炭素の推進は、同州のゼロ・カーボンシティ実現を目指すうえで意義あるものといえます。さらに本取り組みによるコ・ベネフィットとして、エネルギーコストの安定化や新たな雇用の創出、グリーンツーリズムによる観光分野のイメージ向上などが期待されます。同国と共通する課題を抱える他の島嶼地域への展開可能性も視野に入れて実施予定です。

※木質バイオマスボイラー:再生可能な生物由来の有機性資源のうち、木材を燃料として水蒸気および温水などを生成する熱源機器のこと

231020_palau3.png【事業全体像】
同州でこれまでに検討されてきたもの・現時点で検討されているもの
※アミタは赤枠内の赤字②を担当

実施主体

本事業での担当内容

会社概要

アミタ株式会社

バイオマスエネルギー活用の調査実施およびバイオマス関連の事業実現可能性調査

サステナビリティ向上を⽬指す企業・⾃治体等を、ビジョン策定から実⾏実践まで統合的に支援

株式会社ATGREEN

代表事業者を務め業務全体の統括、取りまとめを行う。再エネ導入可能性など州のゼロ・カーボンシティ実現に向けた検討、バイオマス関連調査、EV導入に向けたフォローアップも担当

国内外の環境・エネルギー関連調査および共創型事業構築のコンサルティングを提供

北九州市環境局環境国際部環境国際戦略課

環境分野における計画策定や脱炭素施策・SDGsの推進、廃棄物行政におけるリサイクル技術やノウハウ等の共有、ならびに行政サポート

――

株式会社

EVモーターズ・ジャパン

EV車両導入に関するフォローアップへの協力、連携機関による導入や調査への協力、ならびに公共施設でのバッテリー活用や再エネ導入に関する調査助言

世界最高クラスの低電力消費率、長寿命、安全を兼ね備えた商用EVの開発・製造・販売

株式会社クアンド

プラントメーカーのリモートメンテナンスに関する課題等の調査検討

現場向けリモートコラボレーションツール「SynQ Remote(シンクリモート)」の開発・提供

3.アミタグループの狙い

アミタグループは1977年の創業以来「持続可能社会の実現」をミッションに掲げ、産業と暮らしの統合的な再設計によって社会全体の持続性を向上する「社会デザイン事業」を開発・提供しています。

2011年の東日本大震災後には、宮城県南三陸町で、バイオマスを含む地域の未利用資源を活用した循環型かつ関係性が増幅するまちづくりを推進。さらに、2013年からは国内で培った知識を活かし、北九州市の協力のもと、パラオ共和国が抱える複数の社会課題を資源循環の仕組みを用いて解決する「包括的資源循環システム構築プロジェクト」の提案および現地調査等を開始しました。2016年には、上記プロジェクトの実現に向けた連携強化を目的に、同州とのパートナーシップ協定を締結しています。

2020年以降、同国の観光産業はコロナパンデミックに伴い甚大な影響を受けましたが、2023年に入り観光客数は順調な回復傾向にあります。このような状況も鑑み、アミタグループとしては、同国での社会デザイン事業展開を見据えた事業化への動きを着実に実行する予定です。

環境省による採択通知発表

令和5年度脱炭素社会実現のための都市間連携事業委託業務(2次公募)採択事業一覧

関連リリース

2020年5月25日
アミタ(株)「令和2年度脱炭素社会実現のための都市間連携事業委託業務」を共同受託

<広報・取材に関するお問い合わせについて>
アミタホールディングス株式会社 広報担当:駒井・古城

TEL:075-277-0795 / メール:press@amita-net.co.jp

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