アミタHD、現地大手企業と連携し、インドでの事業可能性調査を開始 -環境省の都市間連携事業委託業務にインド、インドネシア、パラオの案件が採択-

アミタホールディングス株式会社(以下 アミタ)は「令和6年度脱炭素社会実現のための都市間連携事業委託業務(以下 本事業)」に北九州市と共同応募し、インド、インドネシア、パラオの各国における脱炭素化に向けたプロジェクトが採択されました。
インドにおいては、現地環境産業企業最大手と連携し、廃棄物の再資源化などの事業可能性調査を新たに開始します。また、インドネシアとパラオにおいては、セメント産業の脱炭素化やバイオマスエネルギー活用等、2023年度の同委託業務における調査進捗を踏まえ、事業化に向けた追加調査、目標策定を行います。
アミタグループの海外事業統括会社「AMITA CIRCULAR DESIGN SDN. BHD.」と本事業との相乗効果を図りながら、アジアにおける社会デザイン事業の展開を加速していく予定です。

1.本事業について

本事業は、日本の自治体が脱炭素社会形成に関する技術、経験、ノウハウ等を活用して、新興国の自治体の脱炭素化を後押しする事業です。具体的には、日本の自治体が日本の研究機関、民間企業、大学と連携して、海外の自治体における脱炭素技術の導入・サービスの活用に向けた案件の発掘や実現可能性調査、また脱炭素化を推進するための制度構築支援等を行います。今年度の活動期間は、20245月頃~20253月を予定しています。

2.受託事業

①インド

テーマ

脱炭素・循環型エコタウン整備推進事業

対象地域

インド、テランガーナ州ハイデラバード市、アーンドラ・プラデーシュ州ヴィシャーカパトナム市

事業概要

インドで廃棄物処理事業を展開するラムキーグループとの連携、北九州市および市内企業の技術やノウハウ活用により、インドにおける脱炭素・循環型エコタウンの整備に向けた事業可能性調査を実施。具体的な活動は以下のとおり。
①固形廃棄物・液体廃棄物の利用可能性調査
②医療廃棄物の高効率処理設備の導入可能性調査
③コークス乾式消火設備の導入可能性調査
背景とアミタの役割

インドでは、人口増加と都市化により都市廃棄物が2030年に現在の1.5倍に増加すると言われています。インドにおけるエコタウン(リサイクル団地)整備を目指すインド環境産業企業最大手の「ラムキーグループ(以下 ラムキー)」は、2023年9月に、日本国内でエコタウン事業の豊富な実績を持つ北九州市と連携協定を締結しました。また、ラムキーは、その日本法人であり北九州市に所在する「P9合同会社」を通じて、企業の海外展開支援や環境事業等へ約1億ドルの投資を表明しています。

本事業では、連携協定を基軸にして、ハイデラバード市とヴィシャーカパトナム市という対象地域でエコタウンの整備に向けた事業可能性調査を実施します。両市は未処理廃棄物の増加などの問題に直面しており、また、ラムキーの拠点も市内に位置しています。

アミタは上記事業概要の①を主対象として、北九州を含む日本国内とマレーシアでの代替燃料製造の実績とノウハウを元に、ラムキーが回収する廃棄物のうち、廃油・廃酸・廃アルカリ等の廃液の利用可能性調査を行います。

②インドネシア

テーマ

セメント産業の脱炭素化に向けた実現可能性調査

対象地域

インドネシア、チレゴン市・西ジャワ州

事業概要

都市間連携に加え、民間連携を通じて、サプライチェーン全体を視野に入れたセメント産業の脱炭素化の実現可能性調査を実施。
具体的な活動は以下のとおり。
①産業廃棄物のセメント原燃料化
②一般廃棄物の燃料化
③都市間連携を通した廃棄物管理の向上
④セメント工場への省エネ技術の導入
⑤セメント原燃料化推進に係る制度構築支援
背景とアミタの役割

2023年度の同委託業務にて、西ジャワ州における同テーマの調査を開始しました。アミタは、上記事業概要の①⑤を主対象として、事業開始に向けた廃棄物数量や処理価格に関する許認可の情報収集と、事業の仮説構築を行い、当事業に関して一定の市場性があることが確認できました。

調査2年目となる今年度は、現地パートナーとの合弁会社設立に向けた協議、許認可取得の対応、現地排出事業者との意見交換や同国内の適正処理ガイドラインの策定支援に取り組みます。

③パラオ共和国

テーマ

脱炭素都市形成とコ・ベネフィット実現に向けた都市間連携事業

対象地域

パラオ共和国、コロール州

事業概要

①リゾートホテルや公的機関にて発生する剪定枝等を燃料としたバイオマス熱供給利用に関連する調査(賦存量・利用可能量・熱需要・バイオマス原料収集モデル)
②公共施設における再生可能エネルギーの導入や省エネルギーの導入可能性調査
③過年度の調査事項であるEVバス・EVパッカー車導入に向けた資金獲得に向けたフォローアップ
④州の各排出分野(特に事務事業編領域)の脱炭素に向けた排出削減目標や各施設での具体的な活動案の提示
背景とアミタの役割

2020年度から2022年度まで同委託業務にて、脱炭素都市形成に向け、温室効果ガス(GHG)の排出量確認や削減施策としてのEV車両の導入可能性調査に取り組みました。2023年度からはフェーズ2と位置づけ、GHG削減に向けた具体的な施策の立案に向けた調査を進めています。

フェーズ2においてアミタは、上記事業概要の①を主対象として、リゾートホテルやPPUC(パラオ公共事業公社)等から発生するバイオマス賦存量の把握と、熱需要やコスト構造に関する調査に取り組んでいます。2023年度の調査により事業仮説の立案及び一定の事業性を確認できた一方、需給両面における課題も明らかになりました。

今年度は、バイオマスの賦存量や活用ニーズに関する追加調査と、本事業に関心を有する現地企業・団体等と事業スキームの検討を行います。

3.今後の展開

現在、アミタはマレーシアに続く新たな海外市場として、インドネシアにおける事業展開の準備を本格的に進めています。具体的には、20235月に締結したインドセメント社とのMOU(基本合意書)を軸に事業性調査を進めています。

本事業から得られる調査結果や関係性等を活用し、20244月からアミタグループの海外統括会社として事業開始した「AMITA CIRCULAR DESIGN SDN. BHD.にて、インドネシア案件を中心に、以下アジアにおける事業展開を加速していきます。

  • インドネシアにおける代替原燃料製造・供給の事業化に向けた合弁会社の設立
  • パラオにおける包括的資源循環システム導入・事業化に向けた検討
  • インドにおける代替原燃料製造・供給の事業可能性調査

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