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アミタHD、姫路循環資源製造所内に次世代型工場の新設を決定～製造工程の完全自動化で製品価値向上と無人化を果たし、サービスの高度化を目指す～

リリース

2025.02.28

アミタホールディングス（株）は、2月28日（金）、循環資源（廃棄物を原材料にしたリサイクル資源）を製造・提供するアミタサーキュラー（株）の姫路循環資源製造所の敷地内に、自動制御システムを導入した次世代型工場（以下、新工場）の新設を決定しました。投資額は約14億円（税抜）を予定しています。

新工場では、自動制御システムと連動した大型クレーンを導入し、製造工程の無人化を図ります。また、デジタル技術を駆使し、製造メーカーからの少量多品種の廃棄物の受入・再資源化ニーズや、循環資源ユーザー企業の多様化するサステナブル調達ニーズに対応する、カスタマイズ性の高い製品製造や新たな製品開発を実現します。新工場の操業開始は2026年7月を目指しており、2027年度中には、アミタグループが「サーキュラー3.0」と位置づける製造工程の完全自動化を果たす計画です。

さらに将来構想として、サプライチェーン上の資源情報をデータベース化し、生成AI等を利用してサーキュラーエコノミーを促進するデジタルシステム「サーキュラー4.0」の実装を目指し、廃棄物の入荷から循環資源の製造、ユーザー企業への納品まで、最適かつ効率的なプロセスを実現します。

1．新工場の革新性とサーキュラー3.0の位置づけ

＜新工場の革新性＞

①細分化・高度化する循環資源ニーズへのカスタマイズ対応が可能に

【循環資源のユーザー企業ニーズ】
⇒資源枯渇、国際情勢の不安定化、新興国の経済成長に伴う資源需要増等によるサステナブル調達ニーズの増大
⇒求める循環資源の規格の厳密化、多様化

【廃棄物の発生元企業ニーズ】
⇒大量生産・大量消費型のビジネスモデルの終焉により、少量多品種化した廃棄物の100％再資源化

②循環資源製造事業の持続性向上

製造工程の完全自動化による自社製造所の労働環境改善、人財確保の課題解消、カーボンニュートラル等

＜サーキュラー3.0の位置づけ＞

２．新工場の概要ともたらす効果

新工場では、自動制御システムと連動した大型クレーンを用いて、主にセメント産業向けの循環資源であるセメント原料系・燃料系を製造します。2026年7月の操業開始を目指し、2027年度中の製造工程※1の完全自動化（サーキュラー3.0の実現）を計画しています。今後は他の自社製造所でもデジタル化を進め、製造業務の高度化・自動化を検討していくとともに、将来的には本次世代型工場の仕組みをパッケージ化し、省力化ニーズの高い国内外企業への提供・展開をしていくことも視野に入れています。

※1：倉庫管理業務にあたる原料の荷下ろし・搬入作業を除く

効果①　循環資源の提供価値の向上

新工場では、大型クレーンの導入により、製造工程における重機の利用がなくなるため、重機の可動スペースが不要となり、工場面積を最大限に活用した原材料および製品の保管が可能となります。同時期に保管できる原料および製品の種類数が大幅に増加することにより、ユーザー企業のサステナブル調達ニーズに対応した、多品種の循環資源のカスタマイズ製造が可能となる見込みです。

		現在の工場	製造工程の完全自動化後の新工場(2027年)
同時期に保管できる種類数	原料	7～10種類程度	18種類
同時期に保管できる種類数	製品	4種類	19種類

効果②　労働環境の改善

製造工程が自動化されることで、現場作業者の重機作業が無くなります。重機操縦による事故リスクや発塵による健康影響リスクが低減するため、製造所従業員の満足度が向上し、人財の確保や定着へつながると考えます。また、自動化により創出される人財を、中長期経営計画に基づく注力事業に再配置するなどし、グループ全体の価値向上を実現します。

	現在の工場	製造工程の完全自動化後の新工場(2027年)
具体的な製造業務	現場での重機搭乗・操作	自動制御システムの遠隔管理
現場作業者数	4名	0名

効果③　脱炭素への貢献

新工場の製造設備では再生可能エネルギー由来の電力を使用し、カーボンニュートラルを実現します。

	現在の工場	製造工程の完全自動化後の新工場(2027年)
エネルギー	軽油※2 ／電気※3	電気※4
年間のCO2排出量	55.2t- CO2	0t- CO2

※2：重機の動力 ※3：混合機等の動力 ※4：大型クレーン、混合機、電動リフト等の動力

効果④　中長期的な製造コストの低減

重機にかかる管理コストの削減、エネルギーの電化による燃料費の削減、製造工程の無人化による労務管理費の削減等により、中長期的な製造コストの低減が見込めます。

３．「サーキュラー4.0」の概要

「サーキュラー4.0」は、循環資源のユーザー企業のニーズを起点に、排出元企業・循環資源のユーザー企業・物流会社等が持つリアルタイム情報をもとに、生成AIで効率的な資源循環を設計することで、廃棄物の入荷・循環資源の製造・出荷・納品の最適化を実現するデジタルシステム構想です。現在、経済産業省が主導し、循環型社会の実現に向けた動脈・静脈の全サプライチェーンの最適化を実現する、業界を横断したシステム連携「ウラノス・エコシステム」の開発を進めています。アミタの「サーキュラー4.0」は、この国家取り組みの流れに即したものです。

＜サーキュラー4.0のイメージ＞