アミタ(株)、製品・販促品等の廃棄に伴うリスクに関する企業の意識調査を実施~廃棄製品のリサイクル市場が約2650億円規模、リサイクルニーズが約5割~
アミタ(株)は、2011年7月から8月にかけて、企業の環境担当者を対象に、不要となった自社製品や販促品を廃棄する際に発生する様々なリスクに関する意識調査を実施し、306社・328人から有効回答を得ました。
■調査の背景
近年、資源枯渇が世界的課題となり、廃棄物の再資源化が大きな社会ニーズとなっています。また、消費者の環境意識の高まりに伴い、企業の環境取組みがブランドイメージ向上や売上促進に直接的に貢献するようになり、自社製品等の回収/リサイクルを実施する企業が年々増加しています。
一方、廃製品や廃販促品、商品開発段階で発生する廃棄物等、横流しや機密情報漏洩といったリスクを有する廃棄物のリサイクルは、多くの企業にとっていまだ大きな課題であり、リスク対策と両立する安全なリサイクル手法が求められています。
そこで、このたびアミタは、30年以上に渡る廃棄物の再資源化事業と、様々な業界の企業に対する豊富な廃棄物リスクコンサルティング、市場マーケティング事業の経験を活かし、これらリスクを有する廃棄物の処理に関する意識調査を実施しました。
■調査概要
目的 :廃棄製品等に関する企業ニーズの実態調査および廃棄物製品等のリサイクル市場調査
期 間 :2011年7月6日(水)~8月31日(水)
方 法 :インターネット調査、FAX調査、郵送調査を併用
対 象 :製造業、卸売業、小売業、サービス業、他
回答社数:306社・328人/上場企業147社、非上場企業159社/本社、事業所含む
回答率 :4.7%
■調査項目
- 廃棄物の排出に伴う4つのリスクに対する意識調査
- 企業イメージ低下リスク:廃棄製品や販促品等、自社名・ロゴが記載された廃棄物が不法投棄される等
- 横流しリスク:廃棄製品が意図せず使用/転売される、インターネットオークションに出品等
- 事故リスク:廃棄物特有の成分などが原因で処理中に事故が発生する等
- 機密情報漏洩リスク:廃棄資料や廃棄データから会社情報や研究・開発情報、個人情報が流出する等
- リスクを有する廃棄物の発生割合
- リスクを有する廃棄物の具体的な廃棄物名と発生数量、処理方法の要望
■調査結果概要(一部抜粋)
- リスクに対する意識
リスクを感じる企業は約8?9割を占め、全体的に意識は高いと言える。一方、対策済みと回答した企業は3?4割に留まり、対策については、いまだ「途上」段階といえる。また、上場、非上場別で比較したところ、リスクに対する意識は上場企業が非上場の企業より高い結果となった。特に本社同士で比較すると、上場企業の本社の約40%が既に対策済と回答したのに対し、非上場企業の本社は15%に留まった。
- 現在の廃棄製品等の処理方法
廃棄製品等の現状の処理方法は焼却・溶融が約44%、破砕34%、リサイクル/その他が16%、埋立が6%となった。焼却・溶融が多いのはリスク対策を優先しているためと考えられ、今後、再資源化への切替余地があるといえる。
- リサイクル市場の予測廃棄製品が発生する企業の約50%が今後のリサイクル化を希望している。この割合とリサイクルを希望する廃製品等の数量等から、廃棄製品の再資源化市場は約2,650億円規模と試算される。
廃棄製品等が発生している企業数(非上場)40社。非上場の回答企業数は159社。すなわち、廃棄製品等が発生している企業の割合25%。一方、非上場のリサイクルを希望する廃棄製品等の数量は790t/年。廃棄製品等が発生している企業は40社のため、非上場1社当たりの廃棄物数量19.7t/年・社。全国の企業数が150万社※1、処理費35円/kgとすると、以下の計算式(1)より市場規模は2,608億円となる。
計算式(1)150万[社]×0.2515×19.75[t/年・社]×35,000[円/t]=2,608億[円]
※1. 総務省統計局総務省統計局http://www.stat.go.jp/data/nihon/zuhyou/06syo/n0600600.xls
同様に、廃棄製品等が発生している企業数(上場)40社。上場の回答企業数は147社。すなわち、廃棄製品等が発生している企業の割合27%。一方、上場のリサイクルを希望する廃棄製品等の数量は4,210/年。上場企業の廃棄製品等が発生している企業は40社のため、上場1社当たりの廃棄物数量105t/年・社。全国の上場企業数が3,600社、処理費35円/kgとし、計算式(1)と同様の方法で市場規模は35億円となる。
- 廃棄製品・販促品を活用したCSR施策の要望
CSR施策の要望を問うたところ、リサイクル率の向上が一番多く、約50%、自社原料としてのリユースが約20%、芸術作品の素材や途上国への寄付等、新たなCSR観点の取組み利用が約15%と、今後ますます利用方法が多様化していくであろうことが伺える。
アミタでは、今回の調査結果を元に、廃棄商品・廃販促品・機密廃棄物など、リスクを有する廃棄物に関し、リスク対策と両立するリサイクル手法を提案し、社会ニーズに応えてまいります。本調査の詳細に関するお問い合わせは以下へお願いいたします。
- アミタホールディングス株式会社 財務総務部
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