持続可能な養殖業を認証するASC養殖場認証の審査規格に「スズキ・タイ・オオニベ基準」が追加。3月18日より審査が可能となります。
持続可能な水産資源の認証を行う国際認証組織である「ASC(Aquaculture Stewardship Council: 水産養殖管理協議会)」は、水産養殖場の国際認証制度「ASC養殖場認証」に新たに「スズキ・タイ・オオニベ基準」の審査規格を追加しました。2019年3月18日より審査が可能となります。アミタホールディングス株式会社の事業会社であるアミタ株式会社(以下、アミタ)でも審査を開始します。
「スズキ・タイ・オオニベ」の市場について
ASC養殖場認証に「スズキ・タイ・オオニベ基準」が追加され、2019年3月18日より審査が可能となります。アミタでも同日より審査の申込み受付を開始します。(ご相談は随時受付しておりますので、取得をご検討の事業者様はご連絡ください。アミタのASC認証サービスについてはこちら)
日本では上記の3魚種のうち、特にタイ(マダイ)養殖業が盛んです。
国内におけるマダイの漁獲量のうち、養殖は約8割を占めています。主な生産地は愛媛県、熊本県、高知県、三重県です。かつては天然マダイの単価は養殖マダイの2倍ほどでしたが、近年では単価の差がなくなっているとされています(※)。ASC養殖場認証への審査規格追加によって、天然マダイとの明確な差別化が図れる他、養殖マダイの品質向上およびサステナブル調達への対応、世界基準といったブランド化に寄与するものと考えています。
(※)水産庁HPより
ASC養殖場認証とは
2009年に設立された「ASC(Aquaculture Stewardship Council: 水産養殖管理協議会)」は、環境に大きな負担をかけず、地域社会(人権や労働等)に配慮した養殖業を認証する国際的な認証制度です(※1)。責任ある水産養殖業を認証する「ASC養殖場認証」と、適切な加工・流通を行っていることを認証する「ASC CoC認証」の2種類があります。ASC養殖場認証の審査規格は魚種ごとに作成されます。これまで、ティラピア、パンガシウス、サケ類、エビ、淡水マス類、二枚貝、アワビ、ブリ類・スギ類、またASC-MSC基準の藻類が策定されており、新たに「スズキ・タイ・オオニベ基準」が加わり10の基準となります。
アミタは2016年3月29日に日本初となる「ASC養殖場認証」の認証機関として認定され、宮城県のカキ養殖場に対して同審査・認証を日本で初めて行いました。
ASC認証を取り巻く社会背景
現在、世界の漁業総生産量は増加傾向にあり、養殖生産量も年々伸びています。一方で、2011年において漁業資源の28.8%は生物学的に持続できないような乱獲を受けており、責任ある水産物管理の重要性が高まっています(※2)。近年、オリンピック・パラリンピックや国際会議等の国際的イベントや公共性の高いイベント・施設において提供される食品については、持続可能で責任ある素材の調達が重視される傾向にあります。2020年の東京オリンピック・パラリンピックでも「持続可能性に配慮した水産物の調達基準」が定められ、生態系の保全や作業者の労働安全への配慮措置等の要件が設けられています。(写真は日本初のASC養殖場認証を取得した宮城県漁業協同組合 志津川支所のASC認証製品)
(※1)環境への負荷、地域社会への影響等を評価するため、養殖場設置による自然環境の破壊、水質や海洋環境の汚染、エサとなる生物の過剰利用等に関する審査項目が魚種ごとに設定。
(※2)国連食糧農業機関(FAO)「The State of World Fisheries and Aquaculture 2014」参照
アミタの認証実績
1999年に日本初のFSC®森林認証審査会社として環境認証審査サービスを開始して以来、MSC CoC(天然水産物の加工・流通)、ASC CoC(養殖水産物の加工・流通)およびASC養殖場の認証機関として、それぞれアジアで初めて認定されており、環境認証のパイオニアとして国内の様々な地域で認証審査サービスを実施しています。
2018年3月1日より「ASC-MSC海藻(藻類)認証」についても、認証審査サービスの実施を開始しました。
日本に本社があり、日本人の審査員が審査を行う認証機関はアミタだけです。
アミタ | 日本全体 | |
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【FSC FM認証】 | 取扱面積:282,616.5ha | 認証取得面積:408,872ha |
【FSC CoC認証】 | 取扱件数:355件 | 認証取得件数: 1,397件 |
【MSC CoC認証】 | 取扱件数:93件 | 認証取得件数: 197件 |
【ASC CoC認証】 | 取扱件数:34件 | 認証取得件数: 86件 |
【ASC養殖場認証】 | 取扱件数:4件 | 認証取得件数: 5件 |
※2018年11月末時点
関連リリース
2017年9月:鹿児島県垂水市にて、ブリのASC養殖場認証審査を実施
2016年11月:ブリ・スギ類がASC養殖場認証の対象魚種に追加
2016年3月:日本で初めて「ASC養殖場認証」の認証機関に認定され、宮城県南三陸町のカキ養殖業に同認証を発行
2015年11月:宮城県南三陸町で、日本初となる「ASC養殖場認証」の審査を実施
2012年10月:アミタがアジアで初めて「ASC CoC認証」の認証機関に認定
アミタグループについて
アミタグループは1977年の創立以来「持続可能社会の実現」をミッションに事業を行っており、現在環境戦略デザイン事業と地域デザイン事業の2つの事業を行っています。1999年に日本で初のFSC®森林認証審査会社として環境認証審査サービスを開始し、2006年にはMSC CoC認証審査サービスを開始しました。そして、2010年にMSC CoC認証機関として、2012年にはASC CoC認証機関、2016年にはASC養殖場認証機関としてそれぞれアジアに本社を置く企業として初めて認定されました。(FSC® N001887)
【アミタホールディングス(株):資本金474,920,000円(東証JASDAQ市場上場:2195)】
【広報・取材に関するお問い合わせは以下へお願いいたします。】
アミタホールディングス株式会社 経営戦略グループ 共感資本チーム 担当:井口・平木
電話:075-277-0795(直通)/ メール:press@amita-net.co.jp
ファックス:075-255-4527 / URL:http://www.amita-hd.co.jp/
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