アミタ(株)は、3月29日(火)に日本初となる「ASC養殖場認証」の認証機関として認定され、3月30日(水)に、宮城県南三陸町のカキ養殖業に対し、同認証を発行しました。ASC認証製品のカキが4月2日(土)より市場に流通します。
アミタホールディングス株式会社の事業会社であるアミタ株式会社(以下、アミタ)は、2016年3月29日付で水産養殖場の国際的認証制度「ASC養殖場認証」における日本初の認証機関に認定されました。2012年に認定された「ASC COC認証」と併せて、水産養殖漁業の環境認証における生産から加工・流通まで全ての行程を審査・認証できる日本初の企業となりました。また、アミタが2015年11月に審査した宮城県漁業協同組合志津川支所戸倉海域のカキ養殖業に対し、3月30日付で日本初となる「ASC養殖場認証」を発行しました。ASC認証を受けたカキは4月2日付けで市場に流通します。(ACC-MSC-020)
ASC養殖場認証取得者の概要
【対象者】宮城県漁業協同組合 志津川支所
【対象海域】同支所 戸倉海域
【対象魚種】カキ
ASC養殖場認証とは
2009年に設立された「ASC(Aquaculture Stewardship Council: 水産養殖管理協議会)」は、環境に大きな負担をかけず、地域社会(人権や労働等)に配慮した養殖業を認証する国際的な認証制度です(※1)。責任ある水産養殖業を認証する「ASC 養殖場認証」と、適切な加工・流通を行っていることを認証する「ASC COC認証」の2種類があります。今回は「ASC 養殖場認証」の審査・認証を、アミタが日本で初めて行いました(※2)。
現在、世界の漁業総生産量は増加傾向にあり、養殖生産量も年々伸びています。一方で、2011年において28.8%の漁業資源は生物学的に持続できないような乱獲を受けており、責任ある水産物管理の重要性が高まっています(※3)。近年、オリンピックや国際会議等の国際的イベントや公共性の高いイベント・施設において提供される食品については、持続可能で責任ある素材の調達が重視される傾向が高まっており、国内でも、2020年の東京オリンピックでの採用に向けて関係各所からの期待が高まっています。
※1 環境への負荷、地域社会への影響等を評価するため、養殖場建設による自然環境の破壊、水質や海洋環境の汚染、エサとなる生物の過剰利用等に関する審査項目が魚種ごとに設定。
※2 ASC養殖場認証の認証機関として認定されるためには、ASCが規定する監査機関の監査の下で審査を行う必要があります。今回の南三陸での審査についても、監査官同席による認証審査を実施し、アミタが認証機関として正式に認定(日本初)された上で「ASC養殖場認証」の正式取得となりました。
※3 国連食糧農業機関(FAO)「The State of World Fisheries and Aquaculture 2014」参照
ASC COC認証とは
認証水産物が消費者に届くまでのトレーサビリティに対する認証です。
卸売、加工、小売企業など、ASC 認証水産物を取扱うサプライチェーン下の組織は、認証を取得する必要があります。それぞれの組織が、非認証水産物の混入や偽装が行われないよう、トレーサビリティを保つ仕組みを確立していることが求められます。認証された製品には、ラベル(ASC ロゴ)をつけることができます。
「南三陸町バイオマス産業都市構想」と「ASC養殖場認証」の関係
南三陸町は、全域が分水嶺の内側に囲まれた、森・里・海の恵みが豊かな町です。東日本大震災以後、同町は「生命活動に必要な最低限のものはできる限り地域内で賄えるよう備えるべき」として、人と環境にやさしく災害に強いまちづくりを目指し、2014年には「南三陸町バイオマス産業都市構想」が国の選定を受け、バイオマスを起点にした町内の森里海まちの未利用資源を利活用し循環させる、持続可能なまちづくりを官民共同で進めています。
その一環として、2015年10月には同町の林業団体が、責任ある森林管理を認証するFSC®森林認証(FM認証)を取得。そして今回、ASC養殖場認証を日本初取得されたことにより、海と山の二つの国際認証を取得した団体が存在する世界でも非常に稀な自治体となります。(FSC® N001887) ※図:南三陸町提供
アミタの認証実績
1999年に日本初のFSC®森林認証審査会社として環境認証審査サービスを開始して以来、MSC COC(水産資源の加工・流通)、ASC COC(水産養殖資源の加工・流通)の認証機関として、それぞれアジアで初めて認定されており、環境認証のパイオニアとして国内様々な地域で認証審査サービスを実施しています。
今回、ASC養殖場認証の審査機関と認定されたことで、水産養殖業の生産から加工・流通まで一貫して審査が可能となりました。これを機に、国内における認証サービスのパイオニアとして、持続可能な水産養殖業の普及に取り組んでまいります。
アミタ | 日本全体 | |
【FSC FM認証】 | 取扱面積:268,788ha | 認証森林面積:393,243ha |
【FSC COC認証】 | 取扱件数:299件 | 認証保持件数:1,046件 |
【MSC COC認証】 | 取扱件数:44件 | 認証保持件数:77件 |
【ASC COC認証】 | 取扱件数:10件 | 認証保持件数:19件 |
※2015年12月末現在
関連リリース
- 2015年12月:「ASC COC認証」取得についての説明会を宮城県南三陸町で開催
- 2015年11月:宮城県南三陸町で、日本初となる「ASC養殖場認証」の審査を実施
- 2015年11月:宮城県南三陸町内のFSC®認証取得者(FM認証・COC認証)への認証伝達式を開催
- 2015年9月:アミタのバイオガス施設「南三陸BIO」開所のお知らせ
- 2015年7月:南三陸森林管理協議会が管理する森林のFSC®森林認証審査を宮城県で初めて実施
- 2012年10月:アミタがアジアで初めて「ASC COC認証」の認証機関に認定
アミタグループの提供サービス
アミタグループは1977年の創立以来「持続可能社会の実現」をミッションに事業を行っており、現在環境戦略デザイン事業と地域デザイン事業の2つの事業を行っています。1999年に日本で初のFSC®森林認証審査会社として環境認証審査サービスを開始し、2006年にはMSC COC認証審査サービスを開始しました。そして、2010年にMSC COC認証機関として、2012年にはASC COC認証機関としてそれぞれアジアで初めて認定され、2016年にはASC養殖場認証の認証機関として、日本で初めて認証されました。
【アミタホールディングス(株):資本金474,920,000円(東証JASDAQ市場上場:2195)】
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