アミタ(株)、環境省委託業務に対する共同提案が採択され、マレーシア・ベトナム・インドネシアに加えて新たにタイでの廃棄物リサイクルに関する調査事業を実施予定です。

アミタ(株)(以下、アミタ)は、環境省の委託業務である「平成27年度アジアの低炭素社会実現のためのJCM案件形成可能性調査事業委託業務(以下、本業務)」に対して株式会社エヌ・ティ・ティ・データ経営研究所を主要提案者とする共同提案を北九州市などと行い、2015年4月13日付けで契約候補者として選定されました。アミタは、マレーシア・ベトナム・インドネシア・タイで廃棄物リサイクル事業などの可能性に関する調査を実施予定です。調査予定期間は2015年5月~2016年3月です。 ※各事業においては、主提案者と共同提案者が存在し、それぞれの担当分野を持って調査事業を実施します。

本業務の概要とアミタの役割

日本は、世界的な温室効果ガス排出削減・吸収に貢献するため、二国間クレジット制度(Joint Crediting Mechanism:JCM)を推進しています。この制度は、途上国における温室効果ガス削減技術・製品・システム・サービス・インフラなどの普及や対策実施を通じて実現した排出削減・吸収への日本の貢献を定量的に評価し、削減目標の達成に活用するものです。本業務は、日本の技術や制度を現地の実情に応じて調整し、運営・維持管理体制を確立することで、都市や地域など大規模なJCM実施案件を形成するための可能性を調査する事業です。

アミタは現地で産業廃棄物のセメント原燃料化プラント設置に関する調査などを行います。主な実施事項は以下5点です。

  1. 素材産業の種類と分布調査(リサイクル製品ユーザー候補の検討)
  2. 対象となる廃棄物の調査(発生量、種別、化学組成、熱量 等)
  3. 関連する規制・法規の調査・整理
  4. 経済性を含めた実現可能性調査
  5. ビジネスモデルの検討(既存事業者との連携や許可取得などの検討) 等

アミタの海外展開における本業務の位置づけ

アミタは本業務を活用して、マレーシアでの産業廃棄物リサイクル事業を開始する許可取得および現地での事業実施に向けた具体的調査を行うとともに、ベトナム・インドネシアでは、リサイクル事業化検討のための市場調査を昨年度に引き続き実施します。本年度は新たにタイにおけるリサイクル事業の市場調査を実施し、産業廃棄物リサイクルや廃棄物管理業務のIT化支援サービスなどの事業可能性を検討します。

市場調査
(事業可能性検討)
事業計画立案 工場建設/事業開始
マレーシア 2014年度主要調査完了 2015年度内に事業許可取得
(目標)
2016年度内稼働開始
(目標)
ベトナム 2014年度から継続調査 調査結果から検討 調査結果から検討
インドネシア 2013 年度から継続調査 調査結果から検討 調査結果から検討
タイ 本年度から調査開始 調査結果から検討 調査結果から検討

環境省による採択通知発表

平成27年度アジアの低炭素社会実現のためのJCM案件形成可能性調査事業委託業務公募 採択候補案件一覧表

参考資料

各地域における事業背景と場所

地域 事業背景 場所
マレーシア
イスカンダル地区
パシグダン市
イスカンダル開発区の東側のDゾーンに位置するパシグダン市は、マレーシアの重点開発地区として1980年代から工業化が進んだ工業・港湾都市です。1972年操業開始の「パシグダン工業団地」と、タンジュン・ラグサット港に隣接し、新たに開発が進む「タンジュン・ラグサット工業団地」の2つの工業団地に約500の工場が集積しており、大気汚染、騒音、水質汚染などの公害問題が深刻化しています。
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ベトナム
ハイフォン市
ベトナムでは有害廃棄物に関するマニフェスト制度の整備、廃家電や廃自動車などに関するリサイクル法の導入など、廃棄物処理・リサイクルについてのレベルは着実に向上しつつあります。一方で、不適正処理が横行するなど、まだまだ課題を抱えている現状があります。
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インドネシア
スラバヤ市
経済発展に伴い有害廃棄物の発生量が増加しており、その発生量は年間700万tとも推定されています。しかしセメント産業でのリサイクルは銅スラグなど一部にとどまっており、大部分は焼却もしくは埋立処分されています。
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タイ
ラヨン県
経済発展と急速な都市化により環境問題が顕在化しており、住民意識の高まりとともに環境への対応が重要な課題となっています。現在、「Green Growth」を国家戦略の重点項目に上げており、工業省中心としてタイ全土で10カ所の「エコ・インダストリアル・タウン」を選定し、今後5~10年かけて事業を実施していく計画があり、工業団地とコミュニティの連携のもとに低炭素社会の実現を目指すもので、資源循環やリサイクルの推進だけでなく、省エネ・新エネ、地域住民の参加にも重点が置かれています。
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北九州市との連携

廃棄物リサイクル事業は、各国で行政等の許可が必要となります。そのため、事業実施には政府間・都市間の連携、交渉が重要です。環境先進都市を掲げる北九州市は4地域で姉妹都市提携などの協力関係にあり、本業務では行政交渉等の役割を担います。

アミタグループの海外でのリサイクル展開

アミタは、1980年代から海外事業を展開しており、副産物(有価物)、廃棄物を原料として捉えた輸出入の取り引きのほか、一部の国ではセメント代替燃料に関する特許を取得しました。韓国には1991年にオフィスを開設し、2011年には台湾に現地法人を設立しました。台湾では、2015年に太陽電池の製造工程で排出される廃棄物のリサイクル施設の設置を計画しています。

主な取引実績国これまで取引実績のある国と地域

台湾/韓国/中国/ロシア/フィリピン/シンガポール/インドネシア/マレーシア/タイ/パラオ/アメリカなど

関連リリース

アミタグループの提供サービス

アミタは、35年以上にわたり産業廃棄物の100%リサイクルサービスを提供しており、自社製造所におけるリサイクル資源生産量は、2014年度実績で約14万t、全国300事業所以上のリサイクル事業者とのネットワークを活かした取扱量(リサイクル支援量)は約60万tに上ります。また、これらリサイクルビジネスの経験を活用した廃棄物管理に関するリスク診断、社員研修等のコンサルティングサービスや環境戦略支援等を実施しており、2014年度からは企業の環境業務を請け負うアウトソーシングサービスも提供しています。
【アミタホールディングス(株):資本金474,920,000円(東証JASDAQ市場上場:2195)】

【お問い合わせ】
 アミタホールディングス株式会社 経営戦略グループ 共感資本チーム 担当:蝦名・藤本
 電話:075-277-0795(直通)/ メール:press@amita-net.co.jp
 ファックス:075-255-4527 / URL:http://www.amita-hd.co.jp/

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